歯の変色に悩んでいる人は意外に多いようです。幼いときに服用した抗生剤による副作用で生じた変色はもちろん、加齢とともに濃くなった歯の色や黄ばみを改善したいと思う人には、ホワイトニングをお勧めします。
ホワイトニングとは、変色した歯の表面のエナメル質に専用の薬剤(ホワイトニング剤/過酸化水素・過酸化尿素)をあてて脱色(漂白)することです。歯を削ることなく、もともとの歯の構造を変えずに理想的な白い歯を手に入れることができます。ホワイトニング剤は、もともと口腔内の消毒に使われており、安全で効果的です。その安全性については、FDA(アメリカ食品医療品局)でも認められています。歯のトーンが変わるだけで、がらっと印象が変わります。
● 歯に色が付く原因について
- 1. コーヒー、お茶、タバコなどによる変色 色素が歯の内部まで取り込まれる事により、歯が黄色く見えてしまいます。
- 2. 加齢による変色 年齢を重ねるにしたがって、人の歯は自然に黄色く変色していきます。
- 3. 全身疾患に由来する変色 胎児の時期に、母親が服用した抗生物質や過剰に摂取したフッ素などの影響により歯が変色してしまう事があります。
● ホワイトニングとクリーニングの違いは?
歯を白くしたいという希望は、どなたでも少なからずあると思います。
そこで歯を白くすることで混同しがちな「クリーニング」と「ホワイトニング」の違いについてご説明します。
- 歯のクリーニング
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いわゆる歯のお掃除のことで、歯石や歯垢を取り除き、歯周病や虫歯を予防することを主眼とした治療法です。
歯石や歯垢といった汚れを取り除くということは、もともとの歯の白さを取り戻すということなので、クリーニングではもともとの歯の白さ以上に白くすることは出来ません。 - 歯のホワイトニング
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ホワイトニングとは、虫歯や歯周病の予防に主眼をおいたものではなく、口元を審美的に向上させる治療法です。つまり、歯を漂白し、もともとお持ちの歯の色よりも白くすることが出来ます。
※ ホワイトニングによって歯を白くする場合、効果には個人差がございますので、ご了承願います。
● ホワイトニングのメリット・デメリット
- ホワイトニングのメリット
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- 健康な歯を削る必要がない
- 歯の白さをご要望に応じて、調整できる
- 比較的短い期間で歯を白くできる
- セラミック等を使用する審美歯科治療に比べ、治療費が廉価である
- ホワイトニングのデメリット
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- ワインやコーヒーなどを頻繁に摂取することによって再着色する
- 歯の色が後戻りする
- あくまで一時的ですが、刺激症状(知覚過敏)が起こる場合もある
● ホワイトニングの流れ
- step1. まず、歯科医が歯と歯肉が健康な状態であるか診察します。
過去に入れたつめものを取り替えたり、虫歯の治療が必要な場合もあります。
そのあと、型を採ります。 - step2. 歯科医が作製した患者用トレーに、ジェル剤を流し込みます。
- step3. 歯を磨き、トレーを口に入れます。
トレーの端を歯に合わせます。 - step4. 清潔な指か、やわらかい歯ブラシで余分なジェル剤を取り除きます。
口を2回すすぎます。
注意:すすいだ水は飲み込まないでください。
● ホワイトニングの後戻りを防ぐには?
タバコ、コーヒー、お茶、ワイン、カレーなど、歯を着色する食物などを出来る限り摂取しないことが大切です。
なお、歯の黄ばみは着色だけでなく、加齢や本来の歯の色に戻ろうとする遺伝的な原因もあります。
半年~1年に1度くらいの頻度で、再着色防止のためのホワイトニングをおすすめします。